既存ゲームを改良するよ(何様じゃい!)
既存ゲームの「足りない部分」を見つけて進化案を考える手順書
この課題でやること
この課題では、前回分析したゲームをもとにして、
「このゲームはどこが弱いのか」
「どこを足せばもっと面白くなるのか」
を考えます。
ただし、完全に別のゲームを作るのではありません。
元のゲームの面白さを残したまま、
足りない部分を補って、少し進化させることが目的です。
対象ゲーム
前回分析した次のゲームの中から、自分が選んだものを使います。
- パックマン
- クルクルランド
- デビルワールド
- ドンキーコングJR
手順1 分析したゲーム名を書く
まず、自分が分析したゲーム名を書きます。
記入欄
ゲーム名:__________________
手順2 このゲームの中心的な面白さを一文で書く
足りない部分を考える前に、まず
「このゲームの一番大事な面白さ」
を確認します。
ここを考えないまま新要素を足すと、元のゲームと関係ないアイデアになってしまいます。
考え方
次の文に当てはめて書いてください。
このゲームの中心的な面白さは、
「__________________」
である。
例
パックマンの場合
このゲームの中心的な面白さは、
「敵に追われながら、迷路の中のエサを集める緊張感」
である。
クルクルランドの場合
このゲームの中心的な面白さは、
「自由に止まれない操作で、隠された絵を探す面白さ」
である。
デビルワールドの場合
このゲームの中心的な面白さは、
「迷路が動く中で、進む道を考える面白さ」
である。
ドンキーコングJRの場合
このゲームの中心的な面白さは、
「登る、避ける、助けるを組み合わせたアクションの面白さ」
である。
記入欄
このゲームの中心的な面白さは、
「__________________________」
である。
手順3 6つの項目でゲームを評価する
次に、ゲームの面白さを6つの項目に分けて評価します。
点数は、1点から5点でつけます。
点数の意味
| 点数 | 意味 |
|---|---|
| 5点 | とても良い。今でも十分に面白い |
| 4点 | 良い。少しだけ改善できそう |
| 3点 | 普通。悪くはないが、強い特徴とも言えない |
| 2点 | 弱い。もっと工夫できそう |
| 1点 | かなり弱い。足りない部分として考えやすい |
手順4 「ルールのわかりやすさ」を評価する
見るポイント
- 何をすればよいか、すぐに分かるか
- クリア条件や目的が分かりやすいか
- プレイヤーが迷わず遊び始められるか
考えるヒント
次のようなことを考えてください。
- 目的は分かりやすいか
- 失敗条件は分かりやすいか
- ルールを覚えるのに時間がかかるか
- 初めて遊んだ人でも理解できそうか
記入欄
| 項目 | 点数 | 理由 |
|---|---|---|
| ルールのわかりやすさ | _点 | __________________ |
手順5 「操作の気持ちよさ」を評価する
見るポイント
- 操作していて気持ちよいか
- 思った通りに動かせるか
- 操作の不自由さが、面白さにつながっているか
- 操作のしにくさが、ただのストレスになっていないか
考えるヒント
操作が不自由だから悪い、とは限りません。
たとえば、クルクルランドのように
「自由に止まれないこと」
が面白さになっている場合もあります。
大事なのは、操作の特徴が面白さにつながっているかどうかです。
記入欄
| 項目 | 点数 | 理由 |
|---|---|---|
| 操作の気持ちよさ | _点 | __________________ |
手順6 「報酬の気持ちよさ」を評価する
見るポイント
- 得点を取るのが気持ちよいか
- アイテムを取るのが嬉しいか
- クリアしたときに達成感があるか
- 高得点を狙いたくなる仕組みがあるか
考えるヒント
報酬とは、プレイヤーが
「やってよかった」
と感じるものです。
たとえば、次のようなものがあります。
- 得点が入る
- アイテムを取る
- 敵を倒せる
- ステージをクリアする
- ボーナスが入る
- 音やエフェクトで気持ちよく感じる
記入欄
| 項目 | 点数 | 理由 |
|---|---|---|
| 報酬の気持ちよさ | _点 | __________________ |
手順7 「敵・障害物の面白さ」を評価する
見るポイント
- 敵や障害物が、プレイヤーに考えさせているか
- 敵の動きに特徴があるか
- 障害物によって、ただの移動ではない遊びになっているか
- 敵や障害物の種類に違いがあるか
考えるヒント
敵や障害物は、プレイヤーを邪魔するだけの存在ではありません。
よい敵や障害物は、プレイヤーに
「どっちへ進むか」
「今行くか、待つか」
「危険をおかして得点を狙うか」
のような判断をさせます。
記入欄
| 項目 | 点数 | 理由 |
|---|---|---|
| 敵・障害物の面白さ | _点 | __________________ |
手順8 「ステージの変化」を評価する
見るポイント
- ステージごとに違いがあるか
- 場所によって考えることが変わるか
- 同じことの繰り返しになりすぎていないか
- ステージ構造が面白さを作っているか
考えるヒント
ステージの変化とは、見た目が変わることだけではありません。
次のような変化も含みます。
- 通路の形が変わる
- 逃げ道が少ない場所がある
- 危険な場所と安全な場所がある
- アイテムの配置が違う
- 敵の出方が変わる
- 動く床や動く迷路などの仕掛けがある
記入欄
| 項目 | 点数 | 理由 |
|---|---|---|
| ステージの変化 | _点 | __________________ |
手順9 「もう一度遊びたさ」を評価する
見るポイント
- もう一度挑戦したくなるか
- 前よりうまくなったと感じられるか
- 高得点を狙いたくなるか
- 毎回少し違う遊びになるか
考えるヒント
「もう一度遊びたさ」は、リプレイ性とも言います。
次のような要素があると、もう一度遊びたくなりやすいです。
- 高得点を狙える
- タイムを縮められる
- ランダム性がある
- 上達が分かりやすい
- 失敗しても「次はできそう」と思える
- 攻め方を変えられる
記入欄
| 項目 | 点数 | 理由 |
|---|---|---|
| もう一度遊びたさ | _点 | __________________ |
手順10 6項目の点数をまとめる
ここまでつけた点数を、1つの表にまとめます。
記入欄
| 評価項目 | 点数 |
|---|---|
| ルールのわかりやすさ | _点 |
| 操作の気持ちよさ | _点 |
| 報酬の気持ちよさ | _点 |
| 敵・障害物の面白さ | _点 |
| ステージの変化 | _点 |
| もう一度遊びたさ | _点 |
手順11 点数を見える化する
点数を、星の数で見えるようにします。
5点なら星5つ、3点なら星3つです。
星の書き方
| 点数 | 星 |
|---|---|
| 5点 | ★★★★★ |
| 4点 | ★★★★☆ |
| 3点 | ★★★☆☆ |
| 2点 | ★★☆☆☆ |
| 1点 | ★☆☆☆☆ |
記入例
| 評価項目 | 点数 | 星 |
|---|---|---|
| ルールのわかりやすさ | 5点 | ★★★★★ |
| 操作の気持ちよさ | 4点 | ★★★★☆ |
| 報酬の気持ちよさ | 2点 | ★★☆☆☆ |
| 敵・障害物の面白さ | 4点 | ★★★★☆ |
| ステージの変化 | 2点 | ★★☆☆☆ |
| もう一度遊びたさ | 3点 | ★★★☆☆ |
記入欄
| 評価項目 | 点数 | 星 |
|---|---|---|
| ルールのわかりやすさ | _点 | _____ |
| 操作の気持ちよさ | _点 | _____ |
| 報酬の気持ちよさ | _点 | _____ |
| 敵・障害物の面白さ | _点 | _____ |
| ステージの変化 | _点 | _____ |
| もう一度遊びたさ | _点 | _____ |
手順12 足りない部分ランキングを作る
点数が低い項目を見つけます。
点数が低いものほど、足りない部分です。
やり方
- 点数が一番低い項目を探す
- その項目を「足りない部分1位」にする
- 次に低い項目を「足りない部分2位」にする
- さらに次に低い項目を「足りない部分3位」にする
記入例
| 順位 | 足りない部分 | 点数 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 報酬の気持ちよさ | 2点 | エサを集める以外のごほうびが少ないから |
| 2位 | ステージの変化 | 2点 | ステージごとの違いが少なく感じたから |
| 3位 | もう一度遊びたさ | 3点 | 高得点以外の目標が少ないから |
記入欄
| 順位 | 足りない部分 | 点数 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ________ | _点 | ______________ |
| 2位 | ________ | _点 | ______________ |
| 3位 | ________ | _点 | ______________ |
手順13 一番補いたい項目を1つ選ぶ
足りない部分ランキングの中から、
自分が一番改善したい項目を1つ選びます。
この課題では、いきなり全部を直そうとしません。
1つだけ選んで、そこを強くする案を考えます。
記入欄
私が補いたい項目は、
「__________________」
である。
その理由は、
__________________________________
である。
手順14 なぜ足りないのかを考える
選んだ項目について、
「なぜ足りないと感じたのか」
を考えます。
考え方
次の文に当てはめてください。
このゲームは、
「__________」
が少ないため、
「__________」
と感じた。
記入例
このゲームは、
「ステージごとの新しい仕掛け」
が少ないため、
「後半が同じことの繰り返し」
と感じた。
記入欄
このゲームは、
「__________________」
が少ないため、
「__________________」
と感じた。
手順15 足りない部分を補うアイデアを3つ出す
いきなり1つに決めず、まずは3つアイデアを出します。
注意
元のゲームと関係ないアイデアにしないこと。
たとえば、パックマンを分析しているのに、
いきなり剣で敵を倒すアクションゲームにすると、
元の面白さが変わりすぎてしまいます。
アイデアの方向性
| 足りない項目 | アイデアの方向 |
|---|---|
| 報酬の気持ちよさ | コンボ、連続ボーナス、レアアイテム、演出の強化 |
| ステージの変化 | 新しい地形、動く床、変化する迷路、特殊エリア |
| 敵・障害物の面白さ | 新しい敵、動きの違う敵、待ち伏せする敵、進路をふさぐ敵 |
| 操作の気持ちよさ | 新アクション、操作補助、スピード変化、リスクのある技 |
| もう一度遊びたさ | タイムアタック、高得点ボーナス、ランダム配置、チャレンジ目標 |
| ルールのわかりやすさ | チュートリアル、見た目の整理、目的表示、危険表示 |
記入欄
| アイデア | 内容 |
|---|---|
| アイデア1 | __________________ |
| アイデア2 | __________________ |
| アイデア3 | __________________ |
手順16 3つのアイデアを比べる
出した3つのアイデアを比べます。
次の3つの基準で考えます。
- 元のゲームの面白さを壊していないか
- 足りない部分をちゃんと補えているか
- 実際にゲームとして遊びやすそうか
評価表
| アイデア | 元の面白さを壊していない | 足りない部分を補えている | 遊びやすそう | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| アイデア1 | _点 | _点 | _点 | _点 |
| アイデア2 | _点 | _点 | _点 | _点 |
| アイデア3 | _点 | _点 | _点 | _点 |
各項目は、1点から5点で評価してください。
点数の意味
| 点数 | 意味 |
|---|---|
| 5点 | とても良い |
| 4点 | 良い |
| 3点 | 普通 |
| 2点 | 少し弱い |
| 1点 | あまり良くない |
手順17 一番よい進化案を1つ選ぶ
手順16で合計点が高かったアイデアを1つ選びます。
記入欄
私が選んだ進化案は、
「__________________」
である。
選んだ理由は、
__________________________________
である。
手順18 進化案の内容を詳しく説明する
選んだ進化案について、詳しく説明します。
書く内容
次の4つを必ず書いてください。
- 何を追加するのか
- いつ出てくるのか
- プレイヤーはどう行動するのか
- それによって何が面白くなるのか
記入欄
追加するもの
__________________________________
いつ出てくるか
__________________________________
プレイヤーはどう行動するか
__________________________________
それによって何が面白くなるか
__________________________________
手順19 元のゲームの面白さを壊していないか確認する
最後に、自分の進化案が
「元のゲームの面白さ」
を壊していないか確認します。
チェック項目
| チェック内容 | はい / いいえ |
|---|---|
| 元のゲームの目的は残っている | __ |
| 元のゲームの基本操作は残っている | __ |
| 元のゲームの緊張感や面白さは残っている | __ |
| 追加した要素が目立ちすぎていない | __ |
| 別のゲームになりすぎていない | __ |
判断
上のチェックで「いいえ」が多い場合は、
アイデアを少し小さくするか、元のゲームに合う形に直してください。
手順20 進化案を一文でまとめる
最後に、自分の進化案を一文でまとめます。
書き方
このゲームは、もともと
「__________」
という面白さがある。
しかし、
「__________」
が足りないと感じた。
そこで、
「__________」
を追加することで、
「__________」
という体験を強くする。
記入欄
このゲームは、もともと
「__________________」
という面白さがある。
しかし、
「__________________」
が足りないと感じた。
そこで、
「__________________」
を追加することで、
「__________________」
という体験を強くする。
提出するもの
次の内容を提出してください。
- ゲーム名
- 中心的な面白さ
- 6項目の評価表
- 星による見える化
- 足りない部分ランキング
- 補いたい項目
- アイデア3つ
- 選んだ進化案
- 元のゲームの面白さを壊していないかのチェック
- 進化案のまとめ文
書くときの注意
1. ただの追加要素で終わらせない
悪い例:
- 新しい敵を追加する
- アイテムを増やす
- ステージを増やす
これだけでは、なぜ面白くなるのかが分かりません。
良い例:
- 進路をふさぐ敵を追加することで、プレイヤーが逃げ道を考える場面を増やす
- 連続でアイテムを取るとボーナスが入るようにして、危険をおかして攻める判断を生む
- ステージの一部が動くようにして、毎回安全な道が変わる緊張感を作る
2. 「AだからBになる」で書く
説明するときは、できるだけ次の形で書きます。
- 〇〇があるから、プレイヤーは□□を考える
- 〇〇を追加することで、□□という行動が生まれる
- 〇〇が変化するため、□□という緊張感が生まれる
- 〇〇を集めると得点が増えるため、□□したくなる
3. 元のゲームを別物にしすぎない
進化案は、元のゲームを完全に作り変えることではありません。
たとえば、パックマンに次のような要素を足すと、別のゲームになりすぎる可能性があります。
- 剣で敵を倒す
- ジャンプアクションにする
- RPGのレベル上げを入れる
- 長いストーリーを入れる
元のゲームの面白さを残したまま、少し広げることを意識してください。
簡単な完成例
ゲーム名
パックマン
中心的な面白さ
敵に追われながら、迷路の中のエサを集める緊張感。
6項目評価
| 評価項目 | 点数 | 星 |
|---|---|---|
| ルールのわかりやすさ | 5点 | ★★★★★ |
| 操作の気持ちよさ | 4点 | ★★★★☆ |
| 報酬の気持ちよさ | 3点 | ★★★☆☆ |
| 敵・障害物の面白さ | 5点 | ★★★★★ |
| ステージの変化 | 2点 | ★★☆☆☆ |
| もう一度遊びたさ | 4点 | ★★★★☆ |
足りない部分ランキング
| 順位 | 足りない部分 | 点数 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ステージの変化 | 2点 | 迷路の形は変わるが、遊び方の変化が少ないと感じたから |
| 2位 | 報酬の気持ちよさ | 3点 | エサを集める以外の特別な報酬が少ないから |
| 3位 | 操作の気持ちよさ | 4点 | 操作は分かりやすいが、新しい行動は少ないから |
選んだ進化案
一定時間ごとに開閉するゲートを迷路に追加する。
進化案の説明
迷路の一部に、一定時間で開いたり閉じたりするゲートを追加する。
プレイヤーは、敵から逃げながら、ゲートが開くタイミングを見て進む必要がある。
これによって、ただ道を覚えるだけではなく、タイミングを見て進む判断が生まれる。
元の「追われながらエサを集める緊張感」を残したまま、ステージの変化を増やせる。
まとめ
このゲームは、もともと
「敵に追われながらエサを集める緊張感」
という面白さがある。
しかし、
「ステージごとの変化」
が足りないと感じた。
そこで、
「一定時間で開閉するゲート」
を追加することで、
「逃げ道を考えながらタイミングよく進む」
という体験を強くする。