PC構成について(2026年6月 GE向け)
2026年6月現在、DirectX開発用PC構成について考えてみた資料
この資料の前提
この資料は、DirectXを使ったゲーム開発、3D描画、シェーダ学習を行うために、PCを選ぶときの目安をまとめたものです。
C++のプログラムを書くことだけを考えれば、CPU内蔵グラフィックでも動く場合があります。
ゲームエンジニア科の授業では、DirectXの基本機能を使った3Dグラフィックのゲーム作りを学びます。
そのため、DirectX開発用PCとしては、専用GPUを搭載したPCを推奨します。
まず結論
| 用途 | おすすめ構成 |
|---|---|
| 新品デスクトップで無難 | Core i5 / Ryzen 5 + RTX 4060 または RTX 5060 + メモリ32GB + NVMe SSD 1TB |
| 型落ち・中古で狙う | Core i5-12400F前後 / Ryzen 5 5600前後 + RTX 3060 12GB + メモリ32GB + SSD 1TB |
| ノートPCで無難 | Core i7-H系 / Ryzen 7-HS系 + RTX 4060 Laptop 8GB または RTX 5060 Laptop 8GB + メモリ32GB + SSD 1TB |
| 避けたい構成 | CPU内蔵グラフィックのみ、メモリ8GB、VRAM4GB、HDDのみ、SSD 256GBのみ |
一番無難な基準は、次の構成です。
Core i5 / Ryzen 5 以上
GeForce RTX 4060 / RTX 5060 以上
メモリ32GB
NVMe SSD 1TB
PC選びの考え方
専用GPUを前提にする理由
DirectX開発では、単に画面が表示されればよいわけではありません。
扱う内容の例は、次の通りです。
- 3Dモデルを表示する
- テクスチャを扱う
- HLSLでシェーダを書く
- ライティングを確認する
- シャドウマップを確認する
- ポストエフェクトを確認する
- GPUデバッグや描画負荷の確認を行う
CPU内蔵グラフィックのみのPCでも、簡単な表示はできる場合があります。
ただし、DirectXを使った3Dゲーム開発の学習環境として考えると、余裕が少なく、環境差によるトラブルも増えやすくなります。
そのため、この資料では、DirectX開発用PCとしては専用GPU搭載を前提にします。
NVIDIA RTX中心で書いている理由
DirectX自体はNVIDIA専用ではありません。RadeonでもDirectX開発は可能です。
ただし、授業で同じ内容を扱う場合、PC環境がある程度そろっていた方が、説明しやすく、トラブル対応もしやすくなります。
この資料では、購入時に判断しやすいように、NVIDIA GeForce RTX系を中心に書いています。
1. デスクトップPC版:新品・現行寄り
| 項目 | 安さ優先 最低ライン |
標準おすすめ | 余裕あり 重めの3D作品も視野 |
|---|---|---|---|
| CPU | Core i5-13400F / 14400F Ryzen 5 7500F / 7600 |
Core i5-14400F / 14500 Ryzen 5 7600 / 9600系 |
Core i5-14600系以上 Ryzen 7 7700 / 9700系以上 |
| グラフィック | RTX 4060 8GB または RTX 5060 8GB |
RTX 5060 8GB または RTX 4060 Ti 8GB / 16GB |
RTX 5060 Ti 16GB または RTX 4070 / RTX 5070系以上 |
| メモリ | 16GB ※最低ライン |
32GB ※おすすめ |
32GB〜64GB |
| ストレージ | 512GB NVMe SSD ※かなり少なめ |
1TB NVMe SSD | 1TB〜2TB NVMe SSD |
| 電源 | 550W前後 | 550W〜650W | 650W以上 |
| 判断 | 基礎開発なら可 | 一番すすめやすい構成 | 長く使いたい・重めの制作向け |
デスクトップPCのおすすめ
新品で買うなら、次の構成が一番バランスよいです。
Core i5 または Ryzen 5
RTX 4060 / RTX 5060 以上
メモリ32GB
NVMe SSD 1TB
メモリ16GBでも開発はできます。
ただし、Visual Studio、ブラウザ、資料、Maya / Blender、ゲーム実行を同時に開くと余裕がなくなります。
予算が許すなら、最初から32GBをすすめます。
2. 型落ち・中古でもいい版
中古PCや型落ちPCを選ぶ場合は、CPUよりも先にGPUとメモリ容量を確認します。
特に、DirectX開発では「安いからGPUなしでよい」と考えると失敗しやすいです。
| 項目 | 本当に安く済ませたい 最低ライン |
中古で狙いやすい おすすめ |
価格次第でかなり良い |
|---|---|---|---|
| CPU | Core i5-10400F / 11400F Ryzen 5 3600 |
Core i5-12400F Ryzen 5 5600 |
Core i5-13400F以上 Ryzen 5 7600以上 |
| グラフィック | RTX 2060 6GB | RTX 3060 12GB RTX 3060 Ti 8GB |
RTX 4060 8GB RTX 4060 Ti 8GB / 16GB |
| メモリ | 16GB | 32GBに増設前提 | 32GB |
| ストレージ | 512GB SSD | 1TB SSD | 1TB〜2TB SSD |
| 判断 | かなり妥協 | 中古ならここが狙い目 | 新品価格と比較して判断 |
中古で特におすすめしやすい構成
Core i5-12400F 前後
RTX 3060 12GB
メモリ32GB
SSD 1TB
RTX 3060 12GBは最新世代ではありません。
しかし、VRAMが12GBあるため、3Dモデル、テクスチャ、Blender / Maya、DirectX教材の確認で扱いやすい構成です。学校のノートが3070Ti 8GメモリのPU+Intel Core i7です。このぐらいあればまぁまぁ、Steamとかの3Dのゲームでも遊べます。最新のものやグラフィックの重いものはちょっと重くなったりフレーム落ちするかも。
中古で避けたい構成
| 避けたい構成 | 理由 |
|---|---|
| CPU内蔵グラフィックのみ | DirectX開発用としては推奨しない |
| GTX 1050 / GTX 1650 / GTX 1660系 | 基礎的な表示はできても、RTX世代の機能学習には弱い |
| VRAM 4GBのGPU | 3Dモデル・テクスチャ・開発環境で余裕が少ない |
| メモリ8GB | Visual Studio開発用としてかなり厳しい |
| HDDのみ | 起動、ビルド、教材展開、ツール起動が遅い |
| SSD 256GBのみ | Visual Studio、SDK、教材、素材ですぐ足りなくなる |
| 古いスリムPC + 後付けGPUなし | 電源・ケース・冷却の制限で増設しにくい |
3. ノートPC版
ノートPCは、同じ「RTX 4060 Laptop」と書いてあっても、メーカーや機種によって性能差があります。
理由は、ノートPC用GPUは消費電力設定によって性能が変わるためです。
そのため、ノートPCでは、型番だけでなく次の点も確認します。
- RTX 4050 / RTX 4060 / RTX 5060 などの専用GPUがあるか
- GPUのVRAM容量が十分か
- メモリが16GBか32GBか
- メモリ増設ができるか
- SSDが512GBか1TBか
- 冷却性能が低すぎないか
| 項目 | 安さ優先 最低ライン |
標準おすすめ | 余裕あり 作品制作も快適 |
|---|---|---|---|
| CPU | Core i5-H系 Ryzen 5-H系 |
Core i7-H系 Ryzen 7-HS / H系 |
Core i7 / i9-H系 Ryzen 7 / 9系 |
| グラフィック | RTX 4050 Laptop 6GB または RTX 5050 Laptop 8GB |
RTX 4060 Laptop 8GB または RTX 5060 Laptop 8GB |
RTX 4070 Laptop 8GB以上 または RTX 5070 Laptop以上 |
| メモリ | 16GB | 32GB推奨 | 32GB〜64GB |
| ストレージ | 512GB NVMe SSD | 1TB NVMe SSD | 1TB〜2TB NVMe SSD |
| 画面 | 15.6型以上 フルHD |
15.6〜16型 フルHD〜WUXGA |
16型以上 作業領域が広いもの |
| 判断 | 安いが長期運用はギリギリ | ノートならここが本命 | 価格と発熱に注意 |
ノートPCのおすすめ
ノートPCで選ぶなら、次の構成を基準にします。
Core i7-H系 または Ryzen 7-HS系
RTX 4060 Laptop 8GB または RTX 5060 Laptop 8GB
メモリ32GB
NVMe SSD 1TB
RTX 4050 LaptopでもDirectXの基礎開発はできます。
ただし、長く使うならRTX 4060 Laptop以上をすすめます。
4. 購入前チェックリスト
購入前に、最低限ここを確認します。
必ず確認すること
- GPU欄に GeForce RTX と書いてあるか
- 「Intel UHD Graphics」「Intel Iris Xe」「Radeon Graphics」だけになっていないか
- メモリが16GB以上あるか
- できればメモリ32GBか
- SSDが512GB以上あるか
- できればSSD 1TBか
- Windows 11 64bitか
- 中古の場合、電源・冷却・ケースサイズに問題がないか
表記で注意するもの
| 表記 | 判断 |
|---|---|
| Intel UHD Graphics | CPU内蔵グラフィック。DirectX開発用としては避ける |
| Intel Iris Xe | CPU内蔵グラフィック。一般用途向け |
| Radeon Graphics | CPU内蔵グラフィックの可能性が高い。専用GPUか確認する |
| GeForce GTX ** | 古い世代。基礎表示はできても、今から買うなら優先度は低い |
| GeForce RTX ** | DirectX開発用として選びやすい |
| RTX 3050 4GB | 安いがVRAMに余裕が少ないため注意 |
| RTX 3060 12GB | 中古ならかなり狙いやすい |
| RTX 4060 8GB | 新品・型落ちの標準ラインとして扱いやすい |
| RTX 5060 8GB | 2026年時点の現行寄り標準ライン |
| RTX 5060 Ti 16GB | VRAMに余裕があり、長く使いやすい |
5. まとめ
DirectXを使ったゲーム開発では、C++のプログラムを書く力だけでなく、3Dモデル、テクスチャ、シェーダ、ライティング、影、ポストエフェクトなどで、グラフィックハードウェアの機能を扱います。
そのため、PCを選ぶときは、CPUだけでなくグラフィック性能も重要です。
一般的なプログラミングだけならCPU内蔵グラフィックでも動く場合があります。
しかし、DirectX開発用PCとしては、GeForce RTXシリーズなどの専用GPU搭載PCを推奨します。
分類ごとのすすめやすい構成は、次の通りです。
| 分類 | すすめやすい構成 |
|---|---|
| 新品デスクトップ | Core i5 / Ryzen 5 + RTX 4060 / RTX 5060 + メモリ32GB + SSD 1TB |
| 型落ち・中古 | Core i5-12400F前後 + RTX 3060 12GB + メモリ32GB + SSD 1TB |
| ノートPC | Core i7-H系 / Ryzen 7-HS系 + RTX 4060 Laptop 8GB以上 + メモリ32GB + SSD 1TB |
最も無難な基準は、次の構成です。
Core i5 / Ryzen 5 以上
RTX 4060 / RTX 5060 以上
メモリ32GB
NVMe SSD 1TB
DirectX開発用として考えるなら、CPU内蔵グラフィックのみのPCは推奨しません。
参考情報
-
Visual Studio 2022 システム要件
https://learn.microsoft.com/ja-jp/visualstudio/releases/2022/system-requirements -
DirectX 12 Ultimate について
https://devblogs.microsoft.com/directx/announcing-directx-12-ultimate/ -
Direct3D 12 の新機能
https://learn.microsoft.com/en-us/windows/win32/direct3d12/new-releases -
GeForce RTX 4060 / RTX 4060 Ti 仕様
https://www.nvidia.com/en-us/geforce/graphics-cards/40-series/rtx-4060-4060ti/ -
GeForce RTX 5060 ファミリー仕様
https://www.nvidia.com/en-us/geforce/graphics-cards/50-series/rtx-5060-family/ -
GeForce RTX 50 Series Laptop 仕様
https://www.nvidia.com/en-us/geforce/laptops/50-series/