ゲーム研究(自作に向けて)ワーク(6月18日)
自分が作りたいジャンルのゲーム解析ワーク
目的
これまでのワークでは、ゲームの面白さを考えるために、入力、出力、ルール、報酬、リスク、フィードバック、UIなどを分析してきました。
今回のワークでは、その総まとめとして、自分が今一番作ってみたいゲームのジャンルを1つ決め、そのジャンルのゲームを複数調べます。
そして、これまで学んだ解析項目を使って、そのジャンルのゲームにはどのような工夫がされているのかを整理します。
最後に、調べた内容をもとに、制作で意識するべき点をまとめます。
このワークのゴール
このワークのゴールは、次の3つです。
- 自分が作りたいゲームのジャンルを1つ決める
- そのジャンルのゲームを複数調べ、これまでの解析項目を使って工夫を見つける
- 制作で意識すべきことを、解析結果にもとづいてまとめる
ただし、今回の段階では、まだゲームの企画を完成させる必要はありません。
まずは、作りたいジャンルのゲームに共通する仕組みや、面白さを作る工夫を見つけることが目的です。
このワークで身につける力
このワークは、ゲームを遊んだ感想を書くためのものではありません。
ゲームを観察し、面白さを作っている仕組みを分解して説明するためのワークです。
身につける力は、次の4つです。
| 身につける力 | 内容 |
|---|---|
| 観察する力 | ゲーム内で何が起きているかを具体的に見る |
| 分解する力 | 入力、出力、ルール、報酬、リスク、フィードバックに分けて考える |
| 比較する力 | 複数のゲームを見比べ、ジャンルに共通する工夫を見つける |
| 制作につなげる力 | 調べた工夫を、プログラムやゲーム設計の観点で考える |
ワークの進め方
このワークは、次の順番で進めます。
作りたいジャンルを1つ決める
↓
同じジャンル・近いジャンルのゲームを複数調べる
↓
複数のゲームに共通する特徴を見つける
↓
その中から1本を詳しく解析する
↓
入力、出力、ルール、報酬、リスク、フィードバック、UIを整理する
↓
そのジャンルの面白さを作っている工夫をまとめる
↓
制作で意識したいこととして整理する
最初から自分のゲーム内容を決めようとする必要はありません。
まずは、参考になるゲームをよく観察し、「なぜそのジャンルが面白く感じるのか」を言葉にすることを目指します。
- ワーク進行用のテンプレートファイル
今回調べるもの
自分が作ってみたいジャンルを1つ決め、そのジャンル、または近いジャンルのゲームを複数調べます。
例:
| 作りたいジャンル | 調べるゲームの例 |
|---|---|
| 2Dアクション | ジャンプ、攻撃、敵回避があるゲーム |
| 3Dアクション | 移動、カメラ、攻撃、回避があるゲーム |
| レースゲーム | 加速、減速、順位、コース取りがあるゲーム |
| シューティング | 弾を撃つ、避ける、敵を倒すゲーム |
| パズルゲーム | ルール、制限、成功条件が分かりやすいゲーム |
| ホラーゲーム | 危険、緊張感、音や視覚演出が重要なゲーム |
| RPG | 成長、報酬、選択、戦闘があるゲーム |
| ランゲーム | 障害物回避、スコア、速度変化があるゲーム |
有名なゲームでなくても構いません。
スマートフォンゲーム、ブラウザゲーム、フリーゲーム、インディーゲームでも調べられます。
実際に遊べる場合は、できるだけ自分で操作して確認します。操作できない場合は、プレイ動画や公式サイトなどを参考にしても構いません。
今までのワークで見てきた解析項目
今回のワークでは、これまでに扱ってきた内容をできるだけ網羅して使います。
1. ジャンル
最初に、自分が作ってみたいゲームのジャンルを決めます。
見るポイント:
- どんなジャンルを作ってみたいか
- なぜそのジャンルを作ってみたいのか
- そのジャンルのどこが面白そうか
- そのジャンルでは、プレイヤーが何を繰り返すのか
2. 基本ルール
ルールとは、ゲームの中で「何をすると良いのか」「何をすると失敗するのか」を決めている仕組みです。
見るポイント:
- ゲームの目的
- プレイヤーができること
- やると良いこと
- やってはいけないこと
- 成功条件
- 失敗条件
- 繰り返す行動
ゲームの面白さは、1回だけの出来事ではなく、何度も繰り返す行動の中にあります。
例:
- 進む
- 避ける
- 攻撃する
- 集める
- 選ぶ
- 強化する
- 探す
- 逃げる
- 考える
3. 入力
入力とは、プレイヤーがゲームに対して行う操作です。
見るポイント:
- どのボタンやキーを使うか
- 何を入力すると、何が起きるか
- 入力の種類は多いか、少ないか
- 入力は分かりやすいか
- 操作していて気持ちよいか
入力の例:
| 入力の種類 | 例 |
|---|---|
| 移動入力 | 左右移動、前後移動、スティック操作 |
| ジャンプ入力 | ボタンを押してジャンプ |
| 攻撃入力 | 攻撃、射撃、スキル使用 |
| 決定入力 | メニュー決定、アイテム使用 |
| キャンセル入力 | 戻る、回避、ガード |
| 視点操作 | カメラ移動、照準操作 |
| タッチ操作 | タップ、スワイプ、ドラッグ |
4. 入力から出力までの流れ
ゲームでは、入力しただけで終わりではありません。
入力を受け取り、ゲーム内で処理が行われ、その結果が画面や音などでプレイヤーに返ってきます。
基本の流れ:
入力
↓
ゲーム内の処理
↓
出力
↓
フィードバック
↓
プレイヤーの理解
例:
ジャンプボタンを押す
↓
キャラクターに上向きの速度を与える
↓
キャラクターがジャンプする
↓
ジャンプ音とジャンプアニメーションが出る
↓
プレイヤーはジャンプできたと分かる
5. 出力
出力とは、ゲーム内の処理の結果として画面上に現れる変化です。
見るポイント:
- キャラクターが動く
- 敵が動く
- 弾が出る
- アイテムが消える
- HPやスコアが変化する
- ステージが変化する
- クリアやミスになる
入力と出力が対応していると、プレイヤーは操作しやすく感じます。
6. フィードバック
フィードバックとは、ゲーム内で起きたことをプレイヤーに伝える反応です。
ただ「処理が行われた」だけでは、プレイヤーには伝わりません。
画面、音、振動、UIなどを使って、何が起きたのかを分かりやすく返す必要があります。
フィードバックを見るときは、次のように考えます。
- 何が起きたのか
- それを何で伝えているのか
- プレイヤーは何を理解できるのか
- その反応は気持ちよいか
7. 視覚フィードバック
視覚フィードバックとは、画面上の見た目で伝える反応です。
例:
- ヒットエフェクト
- 爆発
- 点滅
- 画面揺れ
- 色の変化
- キャラクターのリアクション
- 敵の予備動作
- アイテムの光
- ダメージ表示
- UIの変化
見るポイント:
- 成功したことが見て分かるか
- 失敗したことが見て分かるか
- 危険が事前に見て分かるか
- 重要な情報が目立っているか
- 見た目が派手でも、情報として分かりやすいか
8. 聴覚フィードバック
聴覚フィードバックとは、音で伝える反応です。
例:
- ジャンプ音
- 攻撃音
- ヒット音
- ダメージ音
- アイテム取得音
- 警告音
- 決定音
- キャンセル音
- クリア音
- BGMの変化
見るポイント:
- 成功したことが音で分かるか
- 失敗したことが音で分かるか
- 危険が音で分かるか
- 同じ音が鳴りすぎて邪魔になっていないか
- 音が気持ちよさにつながっているか
9. 触覚フィードバック
触覚フィードバックとは、手や体で感じる反応です。
代表的なものは、コントローラーやスマートフォンの振動です。
例:
- 攻撃が当たったときに短く振動する
- ダメージを受けたときに強く振動する
- 爆発で大きく振動する
- 車が悪路を走ると細かく振動する
- 危険が近づくと弱い振動を繰り返す
見るポイント:
- 振動が情報として役立っているか
- 衝撃や手応えが伝わるか
- 強さや長さが場面に合っているか
- 振動が多すぎて邪魔になっていないか
10. 複数の感覚を組み合わせたフィードバック
ゲームでは、1つの出来事に対して、視覚・聴覚・触覚のフィードバックを同時に使うことがあります。
例:攻撃が当たったとき
| 感覚 | フィードバック |
|---|---|
| 視覚 | ヒットエフェクト、敵ののけぞり |
| 聴覚 | ヒット音 |
| 触覚 | 短い振動 |
複数の感覚を組み合わせることで、プレイヤーは「攻撃が当たった」「成功した」「危険だ」などを強く理解できます。
11. UI
UIは、ゲームの状態をプレイヤーに伝えるための表示です。
例:
- HPバー
- スコア
- 残り時間
- 残機
- 弾数
- スタミナ
- アイテム欄
- ミニマップ
- クエスト表示
- ボタン表示
- チュートリアル表示
見るポイント:
- 必要な情報が表示されているか
- 見やすい位置にあるか
- 文字やアイコンが分かりやすいか
- 状態の変化に気づきやすいか
- 画面の邪魔になっていないか
12. 報酬
報酬とは、プレイヤーがうまく行動したときに得られる嬉しい結果です。
報酬は、アイテムやスコアだけではありません。
音、演出、進行、成長、操作の気持ちよさも報酬になります。
| 報酬の種類 | 例 |
|---|---|
| 点数の報酬 | スコアが増える |
| アイテムの報酬 | コイン、武器、回復、素材を得る |
| 演出の報酬 | 派手な音、エフェクト、成功演出 |
| 進行の報酬 | 次のステージに進める |
| 成長の報酬 | レベルアップ、能力強化 |
| 情報の報酬 | 新しい場所、物語、敵の弱点が分かる |
| 操作感の報酬 | うまく避けた、気持ちよく当てた、コンボがつながった |
見るポイント:
- 何をすると報酬がもらえるか
- 報酬を得たことが分かりやすいか
- 報酬を得たときに気持ちよさがあるか
- 報酬が次の行動につながっているか
13. リスク・失敗
リスクとは、プレイヤーが失敗する可能性や、緊張感を生む要素です。
リスクがあることで、成功したときの達成感や報酬の気持ちよさが強くなります。
| リスクの種類 | 例 |
|---|---|
| ダメージ | 敵に触れるとHPが減る |
| ミス | 穴に落ちる、敵に当たる |
| 時間制限 | 時間切れになる |
| 資源の消費 | 弾数、スタミナ、アイテムが減る |
| 選択ミス | 間違った行動で不利になる |
| 見落とし | 危険や情報に気づかない |
見るポイント:
- どんな失敗があるか
- 失敗の原因が分かりやすいか
- 危険が事前に伝えられているか
- 理不尽に感じる失敗になっていないか
14. フィードバックが弱い場合の問題
フィードバックが弱いと、プレイヤーは何が起きたのか分かりにくくなります。
例:
| フィードバックが弱い状態 | プレイヤーが感じること |
|---|---|
| 攻撃が当たっても音が鳴らない | 当たったか分からない |
| ダメージを受けても画面変化が少ない | いつHPが減ったか分からない |
| 危険な攻撃の予備動作がない | 急にやられたと感じる |
| ボタンを押しても反応が薄い | 操作している感じがしない |
| UIが見にくい | 状況を判断しにくい |
| 報酬を取っても演出が弱い | 嬉しさが弱い |
15. 面白い場面の分解
面白いと感じた場面は、次の流れで分解します。
面白い場面
↓
入力
↓
ゲーム内の処理
↓
ルール
↓
リスク
↓
報酬
↓
フィードバック
↓
プレイヤーが感じること
例:
| 面白い場面 | 入力 | ルール | リスク | 報酬 | フィードバック |
|---|---|---|---|---|---|
| 敵を踏む | ジャンプ | 上から踏むと倒せる | 横から触るとダメージ | 敵を倒せる、進みやすくなる | 踏んだ音、敵が消える |
| コーナーをうまく曲がる | ハンドル操作 | 減速せず曲がると速い | 壁にぶつかると遅くなる | 順位が上がる | タイヤ音、スピード感 |
| コンボがつながる | 連続攻撃 | 連続で当てると強い | 失敗すると途切れる | ダメージ増加、演出強化 | コンボ表示、効果音 |
16. プログラマとして必要そうな処理
ゲームの表現は、最終的にはプログラムで実装する必要があります。
今回のワークでは実装までは行いませんが、調べた表現を作るには、どんな処理が必要になりそうかを考えます。
例:
攻撃ボタン入力
↓
攻撃アニメーション開始
↓
攻撃判定を出す
↓
敵との当たり判定を調べる
↓
当たったらダメージを与える
↓
ヒット音を鳴らす
↓
ヒットエフェクトを出す
↓
敵を点滅させる
↓
必要なら振動させる
↓
スコアやHPを更新する
17. プログラマとして力を入れたい処理
ゲームプログラマを目指す場合は、「どんなゲームを作りたいか」だけでなく、「どの処理を自分の強みとして見せたいか」も大切です。
たとえば、同じアクションゲームでも、力を入れる処理によってアピールできる内容は変わります。
| 力を入れたい処理 | アピールできること |
|---|---|
| 操作処理 | 入力に対して気持ちよく反応する操作感を作れる |
| 当たり判定 | 攻撃、回避、ダメージなどのゲームの手応えを作れる |
| 敵AI | 敵の行動、追跡、攻撃、索敵などを作れる |
| カメラ制御 | 見やすく、遊びやすい画面を作れる |
| UI処理 | HP、スコア、弾数、状態変化を分かりやすく伝えられる |
| エフェクト処理 | ヒット、爆発、取得、成功などの手応えを強くできる |
| サウンド制御 | 状況に応じて音を鳴らし、プレイヤーに情報を伝えられる |
| 物理・移動処理 | ジャンプ、加速、減速、落下、接地などを自然に作れる |
| ステージ・ギミック処理 | 仕掛け、地形、障害物、イベントを作れる |
| 難易度調整 | 敵の出現、速度、報酬、リスクのバランスを調整できる |
今回調べたゲームの工夫を参考にして、制作時に特に力を入れたい処理を1つ以上選びます。
「面白そうだから」だけではなく、次のように考えます。
- その処理がゲームの面白さにどう関係しているか
- その処理を作ると、プレイヤーに何が伝わるか
- その処理を作品に入れると、どんな技術をアピールできるか
- 実装するには、どんな部品や処理が必要になりそうか
18. 制作に向けたまとめ
最後に、調べた内容をもとに、制作で何を意識するべきかをまとめます。
ただし、まだ具体的な企画を完成させる必要はありません。
次のような視点でまとめます。
- そのジャンルでは、どんな行動を繰り返すと面白いのか
- どんなルールが分かりやすいのか
- どんな報酬が気持ちよいのか
- どんなリスクが緊張感につながるのか
- どんなフィードバックが必要なのか
- UIで何を伝える必要があるのか
- プログラムではどんな処理が必要になりそうか
- ゲームプログラマとして、どの処理を特にアピールしたいか
- 調べた工夫をそのまま真似るのではなく、どの考え方を参考にできるか
書くときの注意
感想だけで終わらせない
悪い例:
- 面白かった
- かっこよかった
- 操作しやすかった
良い例:
- 攻撃が当たった瞬間にヒットエフェクトと音が出るため、攻撃が成功したことが分かりやすい
- 敵の攻撃前に予備動作があるため、避ける準備ができる
- コインを取るたびに音が鳴り、スコアが増えるため、集めることが気持ちよい
「何を伝えているのか」を考える
フィードバックを見るときは、「音が鳴る」「光る」だけで終わらせません。
その表現が、プレイヤーに何を伝えているのかを考えます。
例:
- アイテム取得音は、報酬を得たことを伝えている
- 敵の予備動作は、危険が近いことを伝えている
- HPバーの減少は、現在の危険度を伝えている
- 画面揺れは、攻撃の強さや衝撃を伝えている
良い点だけでなく、気になった点も見る
ゲーム解析では、良い点だけでなく、分かりにくい点や遊びにくい点も大切です。
例:
- ダメージを受けた理由が分かりにくい
- 敵の攻撃範囲が分かりにくい
- UIが小さくて見づらい
- 何をすればよいか分からない
- ボタンを押した反応が弱い
ただし、単に悪く書くのではなく、「改善するならどうするか」まで考えます。
提出内容
ワークシートに、次の内容を記入して提出します。
- 自分が今一番作りたいジャンル
- 調べたゲーム一覧
- ジャンルの共通点
- 基本ルールの解析
- 入力の解析
- 入力から出力までの流れ
- 視覚フィードバックの解析
- 聴覚フィードバックの解析
- 触覚フィードバックの解析
- 複数の感覚を組み合わせたフィードバックの解析
- UIの解析
- 報酬の解析
- リスク・失敗の解析
- フィードバックが弱い場合の問題
- 面白い場面の分解
- 気になった場面の分析
- プログラマとして必要そうな処理
- プログラマとして力を入れたい処理
- 制作に向けたまとめ
- 100〜150字まとめ